FMシリーズ
特長
ノーバックラッシュで高トルク・高回転、高耐久・長寿命。
さらに過負荷・突発事故発生時にも安全な機構です。
潤滑油不要・メンテナンスフリー
摺動部・転動部がないため、潤滑油を必要としません。メンテナンスは、点検時にディスクエレメントの目視検査とボルト・ナットの緩みをチェックするたけです。
ノーバックラッシュ・ハイトーショナルスティッフネス
ボルトによる結合方式でガタのない構造となっており、バックラッシュがなく、高い捩り剛性をそなえておりますので、回転ムラのない正確な軸回転が可能です。
高トルク・高回転
高い伝達トルクを有し、高精度加工によりバランスがとれておりますので、高速回転に耐えます。
大きな許容ミスアライメント
許容角度変位量は1°です。許容平行変位量はスペーサの長さに対応して大きくなります。また、ディスクエレメントは、特徴のある内径で様々な変位に対し、柔軟に対応してカップリングから発生するスラスト荷重を小さく抑えます。従って、前後機器の軸受けの負担は軽くなります。
長寿命
全金属製なので摩耗による経年変化を起こしません。また、塵・高温・低温での耐環境性に優れ、正常状態でのご使用により、半永久的な寿命を発揮いたします。
安全な機構
ディスクエレメントは、ステンレス製薄板を積層してできておりますので、万一、突発事故が発生しても全枚数が一度に破損することなく、ボルト・ワッシャーを介して動力を伝達することができます。
用途
● ノンバックラッシ対応
・製鉄機械
・プラント
・製紙機械
・工作機械
・各種ポンプ
・その他あらゆる分野の一般産業機械
機能
許容ミスアライメント(数値はスペック表をご参照ください。)
平行変位
駆動・従動軸芯が平行ではあるが、同一線上にない場合。
軸方向変位
駆動・従動軸芯が同一線上にあり、軸間距離に移動がある場合。
角度変位
駆動・従動軸芯が交差し、同一線上にない場合。
合成変位
駆動・従動軸芯が交差せず、しかもお互いに平行でなく、軸間距離に移動がある場合。
構造
①ハブ×2 ②スペーサ×1 ③ディスクエレメント×1式 ④リーマボルト×4
⑤特殊ナット×4 ⑥ワッシャ×4 ⑦ブッシュ×4
型式の呼び方(一例)
タイプ
S | シングルフレキシブルタイプ |
WN | ダブルフレキシブルタイプ(基準スペーサ) |
WA | ダブルフレキシブルタイプ(標準スペーサ) |
WL | ロングスペーサタイプ |
エレメント形状
4C:4本ボルトセパレートタイプ
型番(フランジ外形寸法mm)
93 | 104 | 126 | 144 | 171 | 194 | 223 | 253 |
ハブ形状
S:標準
T:特殊
軸間C寸法mm(ダブルの場合のみ)
基準スペーサシリーズ | ||||||
80 | 100 | 125 | 140 | 160 | 200 | 250 |
FEM解析図
スペック表
▲ ダブルフレキシブルタイプ(基準スペーサシリーズ) FMWN
▲ ダブルフレキシブルタイプ(標準スペーサシリーズ) FMWA
▲ シングルフレキシブルタイプ FMS
▲ ロングスペーサタイプ FMWL
型番の選び方
1.伝達トルク
①用途及び運転状況により、荷重係数(F)を下表より選定してください。
②伝達トルクを次式により算出し、算出された伝達トルクが、スペック表の「許容トルク」以内である型番を選定してください。
2.使用軸径
使用軸径が、スペック表の「最大軸径」以内である型番を選定してください。
3.使用回転数
使用回転数が、スペック表の「許容回転数」以内である型番を選定してください。
4.上記1〜3項で選定した型番を総合して、最終的な型番を決めてください。
5.基準品の軸端間距離で収まるか、スペーサのチェックをしてください。
(軸端間距離が基準外の場合は、別途特殊型としてお見積もりいたしますのでご相談ください。)
※基準品および標準品の動バランスは、JIS.G-6.3/1800min-1に入っています。
※ご要望により動バランスの修正を行います。
取扱
カップリングの性能発揮と長寿命保持のためには、据付時の正確な芯出しと、ミスアライメントの経年変化に対する定期的な芯出し調整を必要とします。
取付
軸及びカップリング洗浄後、軸にカップリングハブを取り付けます。軸とカップリングの嵌合が締まり嵌めの場合は、カップリングハブを90〜120℃の油中で均一に加熱し、迅速に軸に挿入します。
フランジ面間距離
フランジ面間距離(C及びG寸法)は規定の寸法になる様にセットしてください。又、その公差は±0.25mm以内にセットしてください。
角度変位
ダイヤルゲージを片側のハブに取付け、これを回転させて振れを読み、この振れ値が許容値の10%以内になるまで調整してください。
平行変位
ダイヤルゲージを片側のハブに取付け、角度変位と同じ要領で振れを見ます。角度変位と同じくこの振れが、許容値の10%以内になるまで調整してください。振れを見ている時に、ハブの切り穴部分でダイヤルゲージが異常に振れる場合がありますが、これは穴加工時にハブのフランジが外周に膨らんだ為ですので、その部分を避けて読み取ってください。
組立
1.リーマボルトを挿入する時、無理な力を加えますと、ディスクエレメントを変形させることがありますので、変形に注意してリーマボルトをセットしてください。
2.特殊ナットは規定のトルクで均等に締め付けてください。特殊ナットは実際の負荷運転の数時間後(1〜3時間)に、再度、規定のトルクで締め付けてください。特殊ナットの脱着回数は10回以内としてください。
3.ワッシャー及び、ブッシュには、組み立て方向があります。必ず球面側がディスクエレメント側になる様にしてください。
4.カップリング部品(ボルト、ナット、ワッシャー、ブッシュ、エレメント等)に附着した油はきれいに拭き取ってください。
導入事例
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